カーラジオから響いた叫び声「なんてこった もう一機が…」
転がるようにカメラマンとともにタクシーに乗り込んだ。タクシーが走りだして間もなく「なんてこった。もう一機が突っ込んだ」とカーラジオからの叫び声が耳に突き刺さった。
焦った。
テレビ記者は、想像力が大事だと思ってきた。「今ここで何かが起きたら、こうレポートしよう」と“空想”し、レポートの引き出しを増やしてきたつもりだ。しかし探ったが、テロという引き出しはなかった。
道は渋滞し、タクシーを降りた。現場まであと2キロ、WTCの煙は勢いを増している。目の前のことをそのまま伝えるしかない。
ハドソン川沿いの道をWTCから避難してきた大勢の人々が無言で列を作り歩いてくる。泣いている人もいた。みんな何が起きているのか正確につかめていないようだ。







