突然終わった“平和な朝” テロと結びつかなかった「ニューヨーク」

ビルから逃げ惑う人々

2001年9月11日、それは突然だった。まさかニューヨーク特派員としてテロの取材をするなど予期していなかった。思えばその8年前、1993年にワールドトレードセンター(WTC)の地下駐車場で爆破テロが起きていた。

テロの標的となることを、なぜ想起できなかったのか。しかしITバブルの余熱に浮かれるニューヨークは、前日まではそんな不安の余地がないほど華やかで平和そのものだった。

その日、国連開会の取材をするために朝早くマンハッタン57丁目のオフィスに到着した。現地のアメリカ人スタッフが出社し「飛行機がビルに突っ込んだようだ」との情報をくれる。しかしこれが同時多発テロの大事になるとは、すぐに結びつかなかった。

日本から贈られた“平和の鐘”を国連の中庭で鳴らして開会を告げるセレモニーを見たいとの気持ちがまだあった。しかし、オフィスに並べられたアメリカテレビ各局の十数台のモニターが、一斉にWTCを大きく映し出して尋常ではないことを知る。ビルから煙があがっているではないか。