2023年には橋の崩落や内水氾濫で大きな被害
静岡県内では、2023年6月2日の台風2号による記録的豪雨でも、県西部と中部で
線状降水帯が発生しました。
この際も気象庁は、線状降水帯による非常に激しい雨が同じ場所で降り続いたことから、命に危険が及ぶ土砂災害や洪水による災害発生の危険度が急激に高まっているとして、厳重な警戒を呼びかけました。

この日、静岡県西部の森町では、観測史上最大となる448ミリの雨を記録。太田川にかかる橋の橋げたに上流からの流木が絡み、流れがせき止められた影響で、橋の一部と脇にある県道が崩落しました。
他にも、静岡県内では、土砂崩れや浸水が相次ぎ、堤防の決壊も発生。県内で男性2人が行方不明となり、1人は土砂崩れの現場で発見、もう1人は増水した川に流されたとみられ、2日後、自宅から約20キロ離れた海岸で見つかり、いずれも死亡が確認されました。

同じ日、静岡県東部の沼津市では、市街地に排水能力を超える多量の雨が降って浸水被害が起きる「内水氾濫」が発生しました。

水害には、大きく分けて「外水氾濫」と「内水氾濫」の2つがあります。河川が増水して水が堤防を越えたり、堤防が決壊したりすることで川の水があふれ出すのが「外水氾濫」。一方、排水能力を超える大量の雨が降った時、雨水を大きな川に流せなくなり水が街にあふれるのが「内水氾濫」です。
線状降水帯の発生など、過去に経験がない記録的な大雨が長時間降るケースでは、「内水氾濫」にも警戒が必要です。