マリモ電子工業 尾関竣哉(としや):
「こちらのカメラで畑を撮影しまして映像を取り込んで、こちらのジェットソン(AI)でリアルタイムで画像解析によって鳥を検出します」

畑の2か所に設置されたカメラ。

取材をしたこの日、鳥はいませんでしたが、鳥を感知すると…

まず、カメラに搭載されたAIシステムが鳥を検出。

すると、鳥が現れた情報を無線でドローン側に自動で発信します。


情報を受信すると格納庫の扉が開き、ドローンが起動する仕組みです。

鳥が畑にやってきた時にだけタイムリーに追い払うことができるのです。

鳥が飛来し、ドローンが出動した時の映像がこちら。

ドローンが近づくと・・・。

木に留まっていたムクドリが一斉に逃げていきました。

2021年に行った実験では、食害の軽減に一定の効果がみられたということです。

高齢化や担い手不足が深刻な農業。

人手不足を補い、効率性を高めようと、機械を使った「スマート農業」が注目を集めています。

マリモ電子工業の取り組みは、農林水産省の関連委託研究で2022年度、全国で唯一、民間企業から選ばれました。


マリモ電子工業 尾関竣哉(としや):
「農業にかかる労力の削減に貢献していければ」
「農業被害を軽減して経済に良い影響を与えていけるようにしたいと考えています」


会社では、2026年以降の実用化を目指し、今後、鳥が慣れないようにスピードや高さ、コースを変えるといった工夫も行い、他の野生動物にも対応していく方針です。

そう遠くない将来、畑の上をドローンが飛び交う光景は、当たり前になるかもしれません。