施設が目指しているのが、子どもたちの「体験の差」の解消です。
■甘利直也さん
「一般的な家庭だったらお家の人が教えられるお風呂の入り方や歯の磨き方、洗濯の仕方とかをこちらの拠点に来てもらって健康的な生活習慣が確立できるように体験活動を支援として提供しています」
保護者が仕事で家にいない時間も多いという子どもたち。
帰宅したら手を洗う、宿題をする、といった生活の中の「当たり前」を身につけてもらい、生き抜く力を育みます。

食事や勉強以外の過ごし方は自由で、子どもたちがのびのびと遊べる場所と時間を確保しています。
子どもたちの遊び方はそれぞれ。
学年を超えて交流することで、社会性も育んでいます。
■甘利直也さん
「それぞれによって好きなものも違うのでそういうのを見ていくとおもしろいですね。(絵を見ると)この子ってこんなことを考えているんだっていうのを読み取れたりするので」
大町北小学校6年の武田ゆずさんは、施設ができた時から通っています。
自閉症と情緒障がいがあり、小学校では、特別支援学級で過ごしています。
施設に通い始めた頃は、集中して勉強に取り組むことが苦手だったゆずさん。
学校の授業で教師の話すことが理解できないことがよくありましたが、甘利さんやスタッフの手厚い指導で変わってきたと言います。
■武田ゆずさん
「わかんないところもあるけどできるとうれしい。最初は凄く不安だったけどみんながすごく優しくて安心したからいい場所だなって思った」
施設では必要に応じて夕食も提供しています。
自分が食べる分は自分で準備して片づける、これも生活の中で身につける「当たり前」の一つです。
施設で食事を提供することで、共働き世帯などの子どもが一人で食事をとることがないようにしています。