板金に向き合い60年、数々の製品を仕上げてきた涌井さんの原動力になっているのが、「ものづくりの魅力」です。

■涌井昭二郎さん 「自分でダクトを作って。板金が好きだったから。いろいろなものを造れるということがね。それだからやっぱり続いたものだからね、仕事が」 「これも達成感。作ってしまえばまた違うものも作ってみたいという気も起きてくる。常にそう思っていますけど」
涌井さんは、70歳を過ぎても板金の現場に立ち続けました。
しかし、ここ10年ほどの間に胃がんと肺がんを患い、悩んだ末、6年前、72歳で一線を退きました。
妻の千代子(ちよこ)さんは当時を振り返り、涌井さんが新たな「ものづくり」に出会ったことを喜んでいます。
■妻の千代子さん
「(現場に出られなくなったときは)さみしいし、ちょっとイライラもしていたけど、それでも何とかここまで頑張ってこれたなって」
これまでに作ったおよそ1000の作品のほとんどは、人にプレゼントしてきたという涌井さん。
これからもものづくりの喜びを感じながら、匠の技で空き缶に新たな命を吹き込んでいきます。