照明に光触媒(ひかりしょくばい)をコーティングすることで、ライトに触れた新型コロナなどのウイルスの毒性を失わせる技術を、松本市の企業が開発しました。

この技術は、産学官の連携を進める「信州大学みらい産業共創会」の協力を得て、ビルメンテナンスなどを手掛ける松本市のアシスト&ソリューションが開発したものです。

使われるのは、信大工学部の錦織広昌(にしきおり・ひろまさ)教授が開発した自然界の可視光線でも活性化する「酸化チタン光触媒」。

2022年に行われた善光寺の御開帳では、新型コロナ対策として回向柱(えこうばしら)にも塗られたもので、光が当たると、表面で活性酸素が発生し続け、ウイルスや細菌の被膜を壊し、感染力を失わせるということです。

アシスト&ソリューションは、この光触媒を屋内のLED照明のカバーにコーティングする技術を開発。

照明の光で活性酸素を発生させることで、その表面に触れた空気中のウイルスや細菌が死滅するということです。

(信州大学工学部・錦織広昌(にしきおり・ひろまさ)教授)
「直接光に反応させるので、とても効率が良い。光源が近いので非常に有効」

試験では25立法メートルの空間で、浮遊するインフルエンザウイルスが2時間後に99.99%除去できたということです。

(アシスト&ソリューション古畑聡志技術顧問)
「病院や老人ホームなどで使ってもらえれば」

アシスト&ソリューションでは、一般家庭や列車内の照明などへの活用にも期待を寄せています。