ヒットの要因はこれだけではありません!製法にも秘密が隠されていました。
ドライフルーツを主力商品に、売り上げを伸ばし続けている阿智村の南信州菓子工房。
ヒットの秘密とは…。
(南信州菓子工房・大島亮さん)「こちらが当社独自の真空窯で蜜漬けをしている工程になる、当社が果物をどう柔らかく仕上げるかそういったところに観点を置いて製法を編み出した当社独自の製法になる」

南信州菓子工房独自の「半生(はんなま)製法」。

一般的なドライフルーツは、熱湯で煮たり、高温で乾燥させたりする過程で、風味や栄養素が抜けてしまうといいます。
しかし、「半生製法」は、真空窯を使うことで40度ほどの低い温度で砂糖水を沸騰。
そこに果物を入れて煮詰めます。
(南信州菓子工房・大島亮さん)「42度で沸騰させることで果物が持つフレッシュな香りや栄養素を損なわずに短時間で蜜漬けができるというのがこの窯の特徴」
ドライフルーツの人気と比例するように、南信州菓子工房の商品も口コミを中心に話題となり、会社の規模も拡大。

売上高は、設立初年度の2013年度の192万円から売り上げを伸ばし続け、昨年度は…。
「14億9000万円と今までの最高の売り上げを出すことができた」

従業員も130人余りと20倍近くまで増えるなどまさに急成長を遂げています。
そんな会社の一番の強味が「商品の開発力」です。
(南信州菓子工房・大島亮さん)「当社は農産物をムダにしない加工というのをモットーにしている」
これまでも数々の新商品を生み出してきましたが、ドライフルーツを作る際に出るシロップをゼリーに加工して販売を行うなど、原料を余すことなく、売り上げにつなげています。
事業規模を拡大する一方で、課題もあるといいます。
(南信州菓子工房・大島亮さん)「いまの現状だけでなく、10年、20年先を見据えた中で農業の高齢化などを踏まえると安定的に農産物の原料を確保したらいいかを考えている」

国産の原料にこだわっていますが、生産者の高齢化などで将来的に原料の確保が難しくなってくると予測。
そこで打ち出したのが…。
「当社は大分県で自社のレモン農園の運営を始めました」
何と自分たちでレモンの栽培をスタート!
大分県佐伯市で遊休農地を活用し、2022年から栽培を始めました。
苗木の定植から収穫にいたるまでに3年ほどかかるということですが、自社栽培はリスクの分散にもつながると期待します。
(南信州菓子工房・大島亮さん)「これから進む高齢化や原料の高騰、あとは天災などによって農産物の収量の激減してしまうと仕事が全くなくなってしまうのでそういったリスク分散をするためにも当社で作っていこうと考えている」
製法や原料へのこだわりと、商品の開発力で急成長を遂げてきたこの10年。
今後の事業展開を聞きました。

(南信州菓子工房・大島亮さん)「来年度は自社の店舗展開を考えている、当社のドライフルーツを原料として使う商品、お菓子などの原材料として新しいファンを開拓して売り上げを伸ばしていこうと思う」
常に先を見据えて攻めの経営を続ける南信州菓子工房。
業界のリーディングカンパニーとして今後も注目が集まります。















