長野県中野市で4人が殺害された事件で、死刑判決を受けた青木政憲被告の弁護団が控訴したことを受けて、遺族は「控訴という判断に強い憤りを感じる」とのコメントを出しました。

事件は2023年5月に散歩中の女性2人と警察官2人の合わせて4人が、ナイフや猟銃で殺害され、殺人などの罪に問われた青木政憲被告が、2025年10月14日に長野地裁から死刑判決を受けました。

青木被告の弁護団は「弁護団としては死刑判決に不服があり、被告に心神耗弱があった」とし、27日付で控訴しました。

判決後の弁護人による接見で、青木被告は当初「控訴したくない」との意向を示していましたが、弁護人によりますと、弁護団の控訴の思いに青木被告も賛同したとしています。

控訴を受けて、殺害された女性2人の遺族が28日、弁護人を通じて共同でコメントを出しました。以下コメント全文。

「長野地裁が下した判決に対し、弁護側が控訴したと聞きました。
殺人という罪を犯しておきながら、被告本人は死刑を受け入れようとしない。また、真実はわかりませんが、被告は控訴に否定的な考えを示していた中で、弁護人が推し進めたような報道もあります。いずれにしても今回4人もの尊い命が奪われたことは紛れもない事実です。

控訴が法律で認められた権利とはいえ、遺族にとってはやりきれない思いしかありません。そして、亡くなった4人のことを想うと、控訴という判断に強い憤りを感じます。

青木被告に対する死刑判決は、きわめて当然の結果です。控訴審でもこの判決が支持され、改めて死刑が言い渡されることを強く望みます。そして、その判決が一日も早く確定することを切に願っています」