5日に開幕した夏の高校野球。監督とエース、親子で挑む最後の夏。
中野市の高校を取材しました。

部員およそ40人の中野西野球部。甲子園を目指して白球を追って来た親子がいます。

3年生のエース木村壮さん。
最速140キロのストレートとスライダーを中心とした多彩な球種が持ち味です。
父・徹さんは監督として6年目。練習では、バッティングピッチャーを務めることもあり、選手をより近くで見つめ、自分たちで考えて動く野球を大切にしてきました。

木村壮さん:「選手より早くグラウンドに来て自分たちがやらなきゃなという目標になってくれる先生。お父さんとか関係なく、先生は先生なので礼儀とかは大事だと思っています」
小学校から野球を始めた壮さん。実は、高校でも続けるか悩んだと言います。
木村壮さん:「中学卒業してから野球をやる気なかったんですけど」
それでも「一緒に監督のもとで野球を続けよう」という同級生の言葉が背中を押してくれました。
木村壮さん:「野球をせっかくやるなら(父が監督の)ここに決めました」
去年の秋、チームは県大会に出場。しかし、初戦で中信地区の強豪、松本国際に0対8で敗れたことで、壮さんは自らを見つめ直したと言います。
木村壮さん:「仲間を信じてやっていなかったし、制球も打たれてからばらつき始めて、打たれて焦って、自分のプレーができなかった」
木村徹監督:「キャッチャーがうまく取れなくて首をかしげていたりとかそういうことがあって、彼をチーム全員の前で叱ったんですよね。そこからある程度、彼自身も甘えちゃいけないと感じたのかと思うんですけど」

それ以降、壮さんが心がけたのは、仲間たちを信じて打たせて取るピッチング。
親子、そしてエースと監督、それぞれに信頼を深めて挑む最後の夏です。

木村徹監督:「高校生として野球人として成長してきたというのは、なんとなく私も分かるので一選手として成長してくれたという感じはします」

木村壮さん:「父には一番感謝してるし、もうここまでやってくれたのも、父のおかげだし、先生としても、自分の目標となってくれた人なので、最大の恩返しができるように夏は後悔が残らないように全力でプレーしようと思ってます」