川下大翔さん:「遅霜が来て、朝見に来た時にはもう、くたーってなっていて全滅しちゃっていました。気温を見ながら、あす(霜が)来そうだなみたいな感じだったら、ビニールかけてあげなきゃいけないんですけど、僕はそれを怠ったせいでこうなってるので、今年は大失敗っていう…」


苦労はあるものの、それも含めて畑と向き合う時間は人生に欠かせないもの。
大学との“兼業”にも、迷いはなかったといいます。

川下大翔さん:「あまり規模は大きくないですけど、でも野菜に触れていた時間は誰よりも長いと思うので、その中で自然とふれあいながら生きていくことが自分にとって楽しいんだなっていうことに気づいて、祖父が残してくれたこの畑を使わない理由はないかなっていうところで」

今の時期は、レタスや小松菜、チンゲンサイなどの葉物が中心。
夏はトマトやキュウリ、ブロッコリー、秋には、ジャガイモにキャベツ。
さらに冬もホウレンソウや白菜と、1年を通して50種類以上もの作物を栽培しています。


川下大翔さん「一つの野菜に頼り過ぎると、災害や病気でダメになったときに売り上げが得られないので…」

朝収穫した野菜は、新鮮なうちに包装していきます。

主に、インターネットの直売サイトなどを通じた販売をしてきましたが、去年からは、直売所にも出し始めました。


とれたての野菜を持って、近所の直売所へ。

直売所の値付けは、それぞれの生産者の自由です。この日は、小松菜とチンゲンサイを120円、レタスを130円に設定。シールには、生産者として大翔さんの名前が記されています。


Vif穂高 小林幸岐人理事長:「これだけのものができるっていうのは素晴らしいよ」

さっそく、地元産のコーナーに並べていきます。棚にはほかにも、新鮮な野菜や果物がずらり。どんな種類がどの時期にいくらで売られているのか、市場調査も欠かせません。

川下大翔さん:「周りの人との値段関係が一番売れるコツでもあるので、そこは常に気にしながら。できれば全部売れてほしいな」

祖父が残してくれた蓄えを基に始めた農業経営は、今年で4年目。

最初の1年の売り上げは支出に対して2割ほどでしたが、試行錯誤を続けることで去年は9割近くに伸ばしました。

SNSなどを通じて全国各地の農家からノウハウを学びながら、大学生との“兼業農家”の間にその後に向けた足掛かりを作りたいと考えています。

川下大翔さん:「今のままこの規模でやってくわけにはいかないので、大学に通ってる間に、規模拡大。今少しずつ力を入れてますけど、耕作放棄地とかに視点を置いて、もうちょっと規模拡大を図れればなと思っています」


ゆくゆくは農家民宿の開業なども思い描く、大翔さん。19歳の挑戦は、続きます。