障がいのある子どもに対する性教育を広げようという動きが、始まっています。

東(ひがし)みすゑさん:
「問題行動は発達要求の現れなんだということ」
「触ったり抱きついたりっていう行動ありますよね。そういうことが起きた時こそ、性教育をする絶好のチャンスなんですね」

佐久市で15日に開かれた勉強会。

性教育の研究や実践を進める県内の団体が開いたもので、小・中学校の養護教諭や保健師など30人余りが参加しました。

講師を務めたのは、福井県で40年にわたり障がいのある子どもたちへの性教育に携わる東みすゑさん。

特別支援学校などでは、十分な性教育を受けていない子どももいて、性被害につながる危険性などが指摘されています。

東みすゑさん:
「ここにね、赤ちゃんのたまご、卵子っていうんだよ」
「男の子はね、ここでいっぱいいっぱい赤ちゃんのもと、精子というのが作られます」

東さんがこだわるのは、具体的な教材を使うこと。

そして、男女一緒に集団で学ぶことです。

東みすゑさん:
「人を好きになることは当たり前の心の成長なんですよね」

これまでは「ダメダメ」と理由も言わずに性に関する行為を禁止しがちだった性教育。

男女の体の仕組みや、命の誕生を丁寧に伝えた上で、「性」に向き合う際に、自分を大切にする力や自分で決める力を伸ばしてほしいと訴えます。

参加者からは、次々と質問がー。

参加者:
「障がい者雇用で、就労していく生徒に対してやっぱり心配なことがたくさんあって、お付き合いとか異性いいなと思ったときに、そういう子たちはどこに相談できるかなって」

参加者:
「ゆっくり発達する人達なのにも関わらず、卒業したらそのまま」
「学ばなければいけないことがいっぱいあるにも関わらず、学ぶ場所がない、作っていかなければいけないと思う」

参加者:
「ふれあいをしていく対象が私のままでいいのかなってちょっと教えていただけたら」

東みすゑさん:
「そうやってたっぷりやっていると自然と先生に来なくなって友達に行くようになりますので、自分で離れていきますので」

東さんは障がいのある子への性教育も、ない子への性教育も、大切なことは変わらないと話します。

東みすゑさん:
「誰もが幸せに生きる権利がある、性を学ぶということは幸せに生きるために学んでいるものだと思っています」