長野市街地のバス停に登山で凍った雪道を歩くときなどに使うアイゼンと見られるものを記者が見つけ、なぜ市街地に放置されているのか取材を進めました。

すると、人気の観光地でも同じようなことが起きていることが分かりました。

冬のこの時期、幻想的な景色を楽しめる長野市の戸隠。訪れてみると多くの外国人観光客の姿がありました。

台湾から:
「私たちは、きれいな写真を撮りたくてここに来ました」

中国から:
「こんなにたくさんの雪を見たのは初めて」

イタリアから:
「冬の間の神社を見たくて来た、とてもきれい」

インターネットやSNSなどで写真を見て訪れたという人がほとんどです。外国人に一番人気のスポットとも言われている奥社の杉並木は写真を撮る人たちでにぎわっています。

ここでアイゼンを使っているグループがいました。

中国から:
「旅行が始まる前に準備したんだ。」

少し離れた中社のバス乗り場では大勢の人が長野駅に向かうバスを待っています。

ピーク時に乗り込む人は50人余り!臨時のバスを運行する日もあるということです。

観光関係者は、「アイゼンが捨てられているということと、バス停の横にもいくつもまとまって捨ててあった、少し困る」と話します。

凍った雪の上を歩くときなどにスリップを防ぐアイゼン。戸隠では地区内の雪道を歩いてめぐる客も多く、観光情報センターでは貸し出し用のアイゼンを用意しています。

しかし、自分で持ってきたとみられるアイゼンを捨てていってしまう人がいるといいます。

アイゼンが捨てられるようになったのは「去年の暮れから」で、「今まではそんなことは、絶対になかった」と言います。


戸隠を訪れる観光客は増えていて、協会によりますと、観光情報センターを、「1月」に訪れた人はコロナ禍だった23年と比べて、24年はおよそ2倍になりました。さらに、25年には、およそ6倍の7270人にまで伸びています。

しかし、インバウンドが好調な一方、ある問題も抱えているといいます。

戸隠観光協会事務局長 山口慎平さん:
「ごみですとか、トイレの使い方とか一部文化の違いによるところで」

奥社の参道の入り口付近ではレインコートや傘、空き缶などのごみが散乱していました。

外国人に話を聞くと…

中国から:「(ごみ箱が)足りていない」

イタリアから:「英語の標識がもっと増えると助かる」

フィリピンから:「(ごみ箱など)もっと分かりやすい場所を作った方がいいかな、でもやっぱり観光客側もちゃんとルールとか調べて、綺麗な景色を守った方がいいかなと思いました」