続いては、長野駅の善光寺口から徒歩1分路地裏にひっそり佇む「千石食堂」(せんごくしょくどう)。

店先のショーケースにはラーメンなどの食品サンプルが並び、かつての駅前の雰囲気が漂います。

千石食堂店主・小林さん:
「うちの親がやっていて昭和27年にオープンしたんですよ。それからずっと、だから(店の)作りが悪いけどね」

元々は店主の小林善幸さんの両親が、満州から引き揚げ、裸一貫で始めたお店。

当時は、駅前にあった貨物基地などで働く鉄道関係の人たちで賑わいました。

今は善幸さんとパートさんの2人で店を切り盛りしています。

佐々木アナウンサー:
「メニュー見てみると短冊のようにズラっと並んでいまけど、一番売れているのはどれですか」
小林さん:
「うちは一番多いのは牛丼か支那そばかな」

ということで看板メニューの牛丼と、昔い懐かしい支那そばをいただきます。

なんとどちらも500円です!

小林さん:
「早く食べて!伸びておいしくなくなっちゃうから」
佐々木アナウンサー:
「染みわたる~温まりますね」
小林さん:
「牛丼も冷めると美味しくなくなっちゃう、せっかくのやつ」
佐々木アナウンサー:
「すごく厚切りで大きくておいしいです。ホッとします」
「この時代にワンコインって、なかなかないですもん。お値段ってずっと変わってないんですか?」
小林さん:
「変わってない27、8年このまんま、ずっとこれ。昭和27年の時はうちの父親の時は1杯50円だよ。支那そばが40円で、そういう時代」
佐々木アナウンサー:
「20年も500円でやっていて苦しくないですか?」
小林さん:
「本当は苦しいけど苦しくないような顔をしているだけ」

そんな店には開店と同時に昔からの常連さんが一杯、飲みに訪れます。

客:
「(日本酒)三本目だよ」
佐々木アナウンサー:
「この店のどんな所が好きですか?」
客:
「雰囲気だね、落ち着くんだよ。作りは古いけど落ち着くの、良心的だし」

常連さんとの会話も弾む!

これぞ「呑みにケーション」です。

佐々木アナウンサー:
「今大変じゃないですか、(店を)続けるのも」
小林さん:
「そうだね、働いてお金稼ぐのに一生懸命だったからね。今は年とったし年金もあるし、そんな働かなくてもいいけど、今86だからあと1・2年じゃない。88が米寿だからそのへんまでは頑張って」

これからも変わらぬ味と変らぬ雰囲気で客を迎えます。