5年前の台風19号災害で千曲川の堤防が決壊した長野市の長沼地区。
濁流の中で身の危険を感じながらも救助にあたった消防隊員の証言です。
長野市消防局警防課 畑大悟(はた・だいご)課長補佐:
「激流という言葉がふさわしい、命の危険を感じるような状況でした」
長野市消防局の畑大悟さん。
千曲川が決壊した5年前の10月13日、高度救助隊の隊長として長沼地区で取り残された住民の救出にあたりました。

長野市消防局警防課 畑大悟課長補佐:
「地鳴りというかゴーという大きな音がしていた。隊員同士の意思確認が難しいくらいの水の流れの大きな音がしていたと思います」
宮下記者:
「徒歩で避難する人の姿が見られます」
親子:
「最初水たまりくらいだったのに一気に来た」
「大きい川みたいになっちゃって」
10月13日、午前1時過ぎ、越水。
警察官:
「声出している人がいます!」
「2人発見!」
午前2時過ぎには、川の水の量はさらに増え、堤防を削っていきます。
防災無線:
「逃げてください。命を守る最善の行動を取ってください」
住民:
「情報全然わからない。緊急情報とかいっぱい入っているけどどうしていいか」
畑さんは、長沼にあるグループホームで、利用者の70代から90代の女性9人と職員3人が取り残されていると通報を受け、救助に向かいました。

長野市消防局警防課 畑大悟課長補佐:
「その時点の水深がだいたい膝くらいで、流れもそんなになくて、越水して浸水したと分かるような状況でした」
あたりは真っ暗で、ライトの灯りだけを頼りに活動しました。
畑大悟課長補佐:
「大きな溝や側溝が見えなかったので、非常に危険な状況ではあった」
利用者を2階へ避難誘導し、全員を救出しました。

畑大悟課長補佐:
「時期が10月ということで明け方でかなり気温も下がっていましたので、船で救助するにしても要救助者を水にぬらさないように体温の低下が一番心配ですので、そこだけは注意して活動していました」