「ここしかない」

歴史の教科書でもほとんど紹介されていない満蒙開拓。

実行員会の生徒たちは、別のドキュメンタリーも観て、理解を深めることにしました。

SBCスペシャル「刻印~不都合な真実を語り継ぐ」は、阿智村にある満蒙開拓平和記念館の証言記録を追った作品で、敗戦後に日本に引揚げてきた人、中国残留孤児になった人、様々な立場の人が体験を語っています。

その中で、ひとりの教師の証言が、生徒たちの心をつかみました。

宮川清治(せいじ)さんは、当時、国民学校の教師として、教え子を満蒙開拓青少年義勇軍に送り出しますが、敗戦後、そのうちの一人が亡くなったことを知ります。

ドキュメンタリーの中で、次のように話していました。

宮川清治さん:
「時代がそういう時代だったから仕方がないと諦めろと言われても、殺した側になると諦めきれない。だからこういう話をするのは本当は嫌なんだ」

ドキュメンタリーを見終わったあと・・・

高校教諭 山田智恵子さん:
「教員やっていたら、そういう担当者になったら、やらざるを得なかったのかと思ってしまう」

高橋妙果さん(高1):
「加害者側の気持ちをインタビューとして知れたのが大きいです」
「今まで歴史の授業では被害者側で、指導者側のことはあまり習わなくて、ずっと被害者視点でフォーカスして歴史を学んできたので」

依田悠也さん(高2):
「校長先生から生徒を送り出してくれと言われているから、送り出さないといけないからやってしまった。そこである種、加害者になっている。でも、その先生だって送りたかったわけじゃないから、時代の被害者でもあるわけで」

高橋妙果さん(高1):
「本当は、生徒たちのことを思いたいけれど、自分の立場とか、生活もあるし」