Q・岩の塊をどうやって取り除くのですか?
小暮英雄所長「一番最初に穴をあけるためにクローラドリル(削岩機)があります。だいたい80センチ間隔で穴をあけていきます。それを終わりましたらビッガー(割岩機)というもので差し込みます。ひび割れを入れていきます。そしたら右手のブレーカーで山を崩しています。(手前から細かく?)そうです。細かく砕いたものがこちらにありますので、これをバックホーで積み込んでダンプに載せます」
一般に山岳トンネル工事などでは、火薬を使ったいわゆる『発破工法』で岩盤を砕くといいますが、今回は採用しませんでした。
なぜならそれは、工事現場のすぐ下に高速道路が走っているから。
一つの落石も許されないため、時間をかけてでも安全に着実に岩盤を砕く工法を選択したといいます。
NEXCO東日本長野工事事務所所長・小暮英雄所長:
「『要塞』の足場を設置するにあたって、こういった高強度の金網をセットして、落石を掘削時に高速側へ落とさないということで、全面的に覆っているんです」
金網のほかにも、長さ3~6メートルの鉄筋のボルトを1200本、巨大な岩の塊に直接打ち込み、岩盤を支えることで落石を防いでいます。
さらに、高速道路上を覆う屋根『ロックシェッド』も設置。
小暮英雄所長:
「いま高速道路上にいます。シェッドの上ですね。ちょっと乗ってると、やわらかい感じがすると思うんですよね。(そうですね少しクッションのような)実はこれです。これ土木用の発泡スチロールです」
こうした発砲スチロールが、万が一の落石の際にクッションとなるよう、およそ2メートルの高さに積み重ねてあります。
佐々木一朗アナウンサー:
「万が一落ちてきたとしても、ここからまた落ちるということははいですか?」
小暮英雄所長:
「そこはないように。本当に万全を期して」
過去に例がないとされる大規模な掘削工事。