技術の向上などを目的にみそや日本酒、醤油に漬物など、それぞれのメーカーが集まる組合。
その中で、長野県内16の豆腐店による組合が3月末に解散しました。
背景にある個人店の激減。
時代の変化を乗り越えようとする豆腐店を取材しました。


松本市郊外を走る車。

「おはようございます」「洞沢豆腐店です」

家々を回り、移動販売しているのは豆腐です。

宮入キャスター:
「あ、ご覧くださいお豆腐がズラリ!」
「調理したものもあるんですね。豆腐寄せですとか、麻婆豆腐、うま味厚揚げって、これ全部おいしそうですね」

お客さん:
「きょうは絹ごしの豆腐ととうふドーナツがおいしいんですよ」
「もう20年くらいになる? 10年以上ですね」
「お豆腐がおいしいですとっても」


松本市中山の洞沢(ほらさわ)豆富店は創業して67年。

地元・松本はもとより、3台の移動販売車の稼働で、諏訪方面などでも愛されるお豆腐屋さんです。

洞澤好廣(ほらさわよしひろ)さんは19歳から豆腐作りを始めてこの道50年。

2020年には、卓越した技能を持つ職人を県が表彰する「信州の名工」にも選ばれました。

洞澤さん:
「面白い仕事だね」
「豆腐作りもやっぱり毎日違うんで、研究しながらやっていかねえと、なかなか毎日いい豆腐できねえんだよね」

昔ながらの豆腐作り。

その多くは手作業で、1日およそ700丁を作ります。

人気の「とうふドーナツ」などスイーツも手作りです。

息子で3代目の朋和(ともかず)さんが後を継ぎます。

朋和さん:
「今は何の作業ですか?」
「今のはにがりをうつ作業ですね」
「洞沢豆腐店のお豆腐のいいところは?」
「風味がいいので国産大豆の風味が伝わるような豆腐だと思います」


洞澤さん:
「お客さんに美味しかったよって言われるとうれしくなる」
「人生もうちょっと生きるけど、人生豆腐屋やってきて良かったなって思います」