幼稚園や保育園の送迎バスの置き去りを防ぐ対策として、岡山市の企業が、園児の乗り降りの状況を把握できる新たなシステムを開発しました。保護者も情報を確認できるのが特徴で、担当者は「全国に安心を届けたい」と意気込みます。

岡山市の企業が開発した新たなシステム。スマートフォンとQRコードリーダー、それに園児の情報を埋め込んだQRコード付きのカードを使い、バスの乗り降りの状況を把握するというものです。その仕組みは…

(リポート・佐藤大祐記者)「園児はまず、このカードを機械にかざし、バスに乗り込みます。すると、スマートフォンに乗り込んだ園児の名前と乗車時刻が記録されます」

乗り込んだ園児を運転手がスマホで把握。目的地に到着すると、園児はまたカードをかざしてバスを降ります。この時、カードをかざしていない園児(=つまりバスを降りていない園児)がいた場合には、運転手が持つスマホに「車内を確認してください」と警告が表示される仕組みです。


手掛けたのは、システム開発などを行う三和マッチです。きっかけは、去年のニュースでした。

(三和マッチ・西田耕滋 専務)「昨年度、悲惨な事故やバスの置き去りの死亡事件がありました。そういったものに対して、システムの開発として何かできることはないかなと」
昨年(2022年)9月、静岡県で送迎用のバスに3歳の女の子が置き去りにされ死亡した事件を受け、開発したといいます。

こうした中、今年(2023年)4月からバスに安全装置を取り付けることが義務化され、各社が様々なシステムを開発をしています。三和マッチのシステムでは、利用料を月額3300円に抑えている一方、乗り降りの状況を園や保護者も確認できるなど、機能面も充実していると胸を張ります。導入は、まだ倉敷市と徳島市の2つの園だけですが、担当者は全国に安心を届けたいとしています。

(三和マッチ・西田耕滋 専務)「安全・安心な通園に、一翼を担えるかなと思っています」
三和マッチでは今年度 50件の新規契約を目指しているということです。