「子供がいるっていうことだけは絶対に言わないでほしい」
(伊達典子さん)
「当時、大島には100人くらいの入所者さんがいらっしゃいましたが、テレビの前でお話をしてくださる方は10人ほど、全体の10%くらいでした。それ以外の方は『人前にはもう出たくない』『自分のことを言うのは遠慮したい』ということでした。
その10人の中のお一人、男性にお話を伺いました。その方は32歳で入所され、奥様も幼いお子さんも故郷に残してこられた方でした。
『今まで受けてきた差別のことをみんな話してやる』と言ってくださいましたが、一つだけ、『子供がいるっていうことだけは絶対に言わないでほしい』と強くおっしゃられました」
「自分はもうどんな目に遭ってもいいけれど、大きくなった子供やその配偶者、孫、親戚たちに迷惑がかかるから、と。その言葉に私はすごくショックを受けてしまって、もう涙が止まらなくなりました」










