東京の焼け野原「今はその地べたの上で酒を飲んだり騒いだり」
戦後に見た東京の焼け野原も、深く記憶に刻まれています。
(倉本さん)
「瓦礫の山でしたよね。あれをね、腹を空かせた復員兵が労働力だったんだけど重機なんかなかったわけで、みんな手で片づけていったわけ。それでいま渋谷のスクランブル交差点はあるわけでしょう」
「本来地べたの下って歴史が埋まっていますよね。だけど地べたの下のことを考えずに地べたの上だけで酒を飲んだり騒いだりしている今の人間を許しておいていいもんだろうかって思うから、あんまり都会のことに触らなくなっちゃったのね」

戦争を知らない世代へ「死をリアルに想像できるか」
戦争を知らない世代に必要なことは「想像力」だと倉本さんはいいます。
(倉本さん)
「たとえば特攻隊で、木の飛行機に乗って鋼鉄の船にぶつかって死ぬという、その死ぬ瞬間にどういう感じがするんだろうか。痛いんだろうか苦しいんだろうか。すぐに死ねるんだろうか。そこをどのぐらいリアルに想像できるかという想像力がすごく大事だという気がします」
「死というものに直面するときに、もっとリアルに想像しなくちゃいけないと思う。それができるかできないかが本物の人間なのか、偽物の人間なのかということの基準になるんじゃないんですか」