岡山で出会った人物が「北の国から」のあの人に

岡山での経験は、ドラマ「北の国から」の脚本【画像⑪】に生かされています。

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ドラマは、東京で暮らしていた小学生の兄妹・純と蛍が、父親の黒板五郎に連れられて北海道富良野市に移り住む場面から始まります。

富良野で黒板一家を出迎えるのが、岩城滉一さんが演じる「北村草太」。実は、倉本さんが疎開中に出会った人物がそのモデルだといいます。

(倉本聰さん)
「『柿本のひっちゃん』っていう、僕のその頃世話になった兄貴株の人がいましてね。色々自然に対する教育をしてくれましたね。川の中での魚のとりかたとかね」

「岩の間に足を突っ込んで、ぬるっとしたら押さえるんですよ。親指と人差し指で。それで石をどけると、魚がぴんぴんはねているんですよ。無口な人だったんですけど兄貴分で」

北村草太のモデルになった柿本久男さん【画像⑫】は、13年前に84歳で亡くなりました。長女の初美さんは、その人柄を振り返ります。

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(山本初美さん【画像⑬】)
「曲がったことが大嫌い。間違ったことを言えば、相手がどんな目上の方でも言っていく。困った人がいたら助けてやれっていうような父でしたね」

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岩城滉一さん語る「柿本のひっちゃん」と「倉本聰」

北村草太を演じた俳優の岩城滉一さんは、モデルになった柿本さんは、倉本さんにとって憧れの存在だったのではないかと想像します。

(岩城滉一さん【画像⑭】)
「僕は先生と話しているときに、やられるときはけちょんけちょんにやられるけど、見捨てないもんね。見捨てない」

「だから先生が戦時中に柿本さんにしてもらった中に、マインドというか血というか、背筋がぴっと通っているものがきっとあるんでしょうね」

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