身近な問題や疑問について調査、報道する「ど~なっとん」です。
倉敷市で「今月14日、油のようなものが空から降ってきた」と視聴者からRSKに連絡がありました。
現場を訪れると車や建物に点々と汚れが。正体は一体何なのでしょうか?


(従業員)
「見たらすぐわかる。納品前の製品なんですけど、これは今日(17日)の朝、他の従業員が見て、すごいことになっていたと聞いて…」

200以上の事業所がある倉敷市の水島工業地帯。

このエリアの事業所などで今月14日午前9時ごろ、最初に被害が確認されました。

工業地帯の東に位置するこの会社では、今週に入り従業員が次々と茶色の汚れを発見しました。
(従業員)
「前はなかった。結構、社長がきれい好きなので、こういう汚れとか気にする人なので、いつもきれいにしていたんですけど」
これまでの鉄粉などの飛散とは違う、こびりつくような汚れ。従業員も正体がわからず対処の方法に困っています。


(従業員)
「サビだったらこすったら取れると思うんです。拭いても全く取れないし、何なのかなみたいな、原因不明ですね」

”油のようなものが降ってきた・・・” という不可解な現象。こちらの運送会社でも経験がないといいます。
(リポーター)
「こちらの車には、茶色い油でしょうか、点々とした汚れがこびりついているのが分かります。フロント、天井、そしてサイドまで、車全体に汚れが付着しているのが分かります」


茶色い何かが撒かれたようにも見える汚れ・・・。
(リポーター)
「被害は車だけでなく、会社の周りのフェンスにも汚れが付着しています」

トラック3台、自家用車7台が被害に遭ったこの会社では、洗車機などで洗っても落ちず、14日夜、警察に被害届を出したということです。被害はなぜ起きたのか?

警察や消防は当時西風だったことから、コンビナート方面から何かがとんできた疑いがあるとして調査。
その結果、工業地帯の中心部に位置するENEOS水島製油所から出た「油分を含む蒸気」であることが判明しました。

現時点で人的被害の報告はありませんが、消防は注意喚起や、再発防止に向けた指導などを行ったということです。

RSKの取材に対しENEOSは…
(ENEOS水島製油所 総務グループ 武林秀和さん)
「地域の皆様には今回、多大なご迷惑をおかけしまして、大変申し訳ありません。石油精製の過程で誤った操作が一部起こりまして、その際に油が飛散したということを確認しています」
ENEOSは、油を含んだ蒸気は現在は発生しておらず、誤った機械の操作をしない限り、再び同じことが起こることはないとしています。

(ENEOS水島製油所 総務グループ 武林秀和さん)
「なるべく速やかに対応して収束に向けて進めていきたいと思います」
蒸気が飛散した範囲なども今後さらに特定を進め、近隣住民の不安の払拭に努めるとしています。