熊本県内の工場でも不適切と疑われる事案が明らかになっている中古車販売会社のビッグモーターが、保険金の不正請求問題を巡り、25日会見を開きました。

ビッグモーターを巡っては先月26日に公表された特別調査委員会の報告書で故意に車を傷つけるなどして修理代を水増し保険金を不正に請求していたことが明らかになっています。
報告書によりますと、2021年に全国で実施した板金や塗装のうち2717件について調査を行ったところ、全体の44パーセントにあたる1198件が不適切と疑われるということです。

そのうち熊本県内の店舗では宇土市の宇土店で93件の調査が行われ、41件が不適切と疑われることが明らかになっています。

会見を開いた兼重宏行(かねしげ ひろゆき)社長は一連の問題について報告書を読むまで認識はなかったとしました。
ビッグモーター 兼重宏行社長「こんなことまでやるのか、とがくぜんとした。これから修理する人間が傷をつけて水増し請求する。ありえない。本当に許しがたい」

このように組織的な不正を強く否定しました。
兼重社長「組織的はない。個々の工場長が指示してやったのではないか事実関係は取れていないが、それでないとこういうことは起きない」

またビッグモーターは熊本市の熊本浜線店で車検を実施した58台について、スピードメーターの誤差を確認する検査を行っていないにも関わらず「適合証」を交付していたとして今年3月に行政処分を受けています。

この問題について兼重社長は…
兼重社長「なぜそうなったかというと、特殊な車両です。そういう特殊な車両について手抜きをした。私たちもそういうことはあってはいけないと監査に入ったりするが、外からでは全く分からない」

このように、不正を見抜けなかったとしました。
また、ビッグモーターは会見で保険金不正請求の舞台となった板金部門以外の全部門でも不正がなかったかどうか調査するとしています。