4年ぶりに観客を入れて開催された県高校総合文化祭。さまざまな試練を乗り越え総合文化祭のステージに立った高校生たちを取材しました。

6月1日、総合文化祭の幕開けを告げるアーケード街でのパレード。そこにひと際、威勢のいい集団がいました。秀岳館高校雅太鼓(みやびだいこ)部です。
秀岳館高校雅太鼓部は今年で創部33年目。日本一に輝いたこともある名門チームです。

しかし、部員のほとんどが和太鼓を始めたのは高校から。強さの秘訣は…
先輩「リズムはよくなってきたから、あとは指し!しっかり止めてやるように」

指導しているのは、卒業した先輩たち。時間を見つけては、指導に駆け付けているのです。
昨年度卒業 浦川萌香さん「大学が近いので、今は週4で(練習に)来ています」

和久田虎輝キャプテン「すごいです。やっぱり身体の使い方が違って、全然打ち込みも強かったので、自分まだまだだなと」
3年生でキャプテンの和久田さんです。

雅太鼓部だった姉の姿に憧れ入部しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって演奏を披露する機会が奪われました。
和久田キャプテン「たくさん演奏ができる部活ということで、楽しみと思って入ったが、いざ入ったら全然。月に1回もない時があって、その時は悔しかった」
そのコロナ禍に、さらなる災難が部を襲います。

去年7月、校内で火事が起きたのです。幸い太鼓は無事でしたが、雅太鼓部の練習場所が使えなくなりました。
先輩の浦川さん「部室の中で練習したり、そこの通路で練習したりしていました。環境的には悪かったです」

それでも、去年12月の県のコンクールでは最優秀賞を受賞。今年7月に開催される全国大会への切符を手にしました。
その全国大会を前にした今回の総合文化祭は、先輩が抜けた新生・雅太鼓部が臨む大事なステージです。

この日は本番を想定したホール練習。
披露するのは「まつり妙見」という八代妙見祭をイメージした曲です。30年ほど前に部員と先生が制作しました。

曲の制作に携わった秀岳館高校 堀江千恵子先生「八代出身で、妙見祭をずっと知っていますので、全国に知らせようということで始めた」
代々受け継がれてきた「まつり妙見」の一番の見せ場は、重さ約5キロの太鼓を抱えながら叩く、通称「かかえ」。

高度な技術が求められますが、妥協は許されません。
「ただつっ立っているよ」「体ごと」「前に行くのはこう」

和久田キャプテン「60点です。声の小ささだったり打ち込みの弱さだったり、
そういう面では完成には程遠い」
練習は夜遅くまで続きました。

迎えた本番。雅太鼓部は、総合文化祭のオオトリを飾ります。
和久田キャプテン「バッチリです」

そして演奏の見せ場「かかえ」。
浦川さん「思っていたより迫力があったし、練習の時よりはるかに良かったです」

ただ、まだ課題もあります。
和久田キャプテン「3人で音が合っていなかったので『かかえ』をもっと練習しないといけない」

秀岳館高校雅太鼓部、次はいよいよ全国のステージです。
和久田キャプテン「全国大会優勝する気でいるので、それに向けてもっともっと今まで以上に、実の詰まった練習をして頑張っていきたい」