熊本市の井戸で指針値を超える化学物質が検出された問題です。
対策を検討する熊本市のプロジェクトチームが発足し、1回目の会議が開かれました。

今年3月、北区植木町の轟(とどろき)地区にある12の観測井戸や、個人の井戸から指針値を超える化学物質、PFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)が検出されました。
PFOSとPFOAは、高濃度で摂取すると腹痛や吐き気を引き起こす恐れがあると言われ、熊本市は対応にあたるプロジェクトチームを立ち上げました。

その1回目の会議では市民から井戸の検査の希望などが5月11日(木)までに73件寄せられたことが報告されました。
熊本市は希望する世帯については井戸の水質調査を実施します。

一方で、井戸水ではなく、「水道水」については全地域、指針値以下で安全に使用できるとしています。
熊本市環境推進部 永田努 部長「水道給水区域内で水道への切り替えができる方は、水道への切り替えをお願いしたい」
プロジェクトチームは今後、轟地区について範囲を広げて調査します。

--なぜ指針値を超える化学物質が検出されたかはわかっていないんですか?
記者「それはまだ、明らかになっていません」
「この人体への有害性が指摘されているPFOS、PFOAですが水や油をはじく性質があり、かつては身近なものにも使われていました。例えば、フライパンやフローリングのコーティングです」

--口に入ったり、直接触れたりしますが大丈夫なんですか?
「環境省によりますとそのコーティングにはPFOAを原料にした『フッ素樹脂』が使われていたんですが、フッ素樹脂に加工された時点で有害物質、PFOAとは別の物質になっているので体内に入ることはないということです」

--いまでも使われているんですか?
「PFOSは2018年に、PFOAは2021年に全ての用途で製造・輸入・使用が禁止されました」

--割と最近まで使われていたんですね。
記者「さらに、政府は今年2月からPFOSとPFOAを人の健康や環境に被害が生じる恐れがある『指定物質』に追加し、以前から保有している事業者などに対し事故で流出した場合の応急措置などを義務付け対応を強化しています」