地盤沈下は道路工事が原因

私たちRKK熊本放送の取材班と村本さんたちとの出会いは、5年前に遡ります。

2020年の取材
「手を離したらこんな感じでソロソロソロといってしまうんです」
――これ自動ドアじゃないですよね?
「自動ドアじゃないですよ(笑)下がっていくという感じがするんじゃないか。歩いてみて よくわかります」

5年前、村本さんは自宅で「傾き」を感じるようになり、時を同じくして家中で不具合が起き始めました。

村本さんだけではありません。

同じ頃、近所の複数の家でも「塀が傾いた」「敷地に段差ができた」など異変が起きていたのです。

住民の声を受けて熊本市が調査すると、村本さんたちが暮らす地域一帯で地盤沈下が確認されました。

当時、谷尾崎町周辺では西環状道路の工事の一環で2本の橋台と5本の橋脚が建設され、工事の過程で湧き出した地下水をくみ上げ続けていました。これが原因で地盤が沈下したのではないかと考えられていたのです。

そして、熊本市が設置した専門家会議も現地や地層を調査した結果『地盤沈下の原因は西環状道路の工事』と結論づけました。

熊本市 大西一史市長「因果関係が明確になったことに対しては、誠実に全面的に補償をさせていただくことが非常に重要だと思います」