それは、事故を起こした運転手に対する裁判です。
運転手側の弁護士から「バリスタという仕事に価値があるのか」「コーヒーを淹れていた青年に、高い金額を払う価値があるのか」と言われた時。
深迫さんは「人間、生きていたら価値がある」と訴え返しました。
「一生コーヒーを飲まないでほしいと、その弁護士に言ったことを覚えてます」
「命の価値」の使い方
やがて裁判が終わり、手元に入った賠償金をどう使うべきか、家族で考え始めました。
そこで忍さんの妹が提案したのは、忍さんが志した「社会貢献の精神」を受け継ぐNPO法人の設立です。

活動内容は、コーヒーを通した被害者支援や学生ボランティアの育成。さらには、事件・事故そのものを減らし、二次被害を防ぐことを目指します。
コーヒーで人を助け、人と人をつなぐ。
NPO法人の名前は「助ける(aid)」という言葉を用いて『Coffee aid』となりました。