「お母さん、病院に来てください」

忍さんは大学進学先の東京でコーヒーに魅せられ、バリスタになる道を選びました。

アルバイトから始まり、コーヒーに携わること10年。東京・渋谷の店で働いていた忍さんは、「自分の店を開く」という夢の実現に向けて動き始めていました。

2019年7月7日。深迫さんと忍さんは、店の設計や見積もりの進捗について話し合いました。

忍さんが求めたのは、癒しを求める人や、コーヒーを学びたいと思う人が集まる場所です。

「店をオープンしたら、目の前には焙煎所を作るんだ。セミナーをできる場所も」

「隣にはガーデンを作って、子ども達にいっぱい遊びに来て欲しい」

その2日後。忍さんの同僚から電話がかかってきました。

「お母さん、病院に来てください。忍が救急車で運ばれた」