熊本県南阿蘇村の国道で、対向車から正面衝突され70代女性が死亡した事故。反対車線にはみ出した20代の男の初公判が開かれました。
女性の遺族は「真実が明らかになってほしい」と裁判に臨み、厳正な処罰を求めます。
過失運転致死の罪に問われているのは、熊本県宇城市不知火町の増永幸輝被告(23)です。

起訴状などによりますと、増永被告は去年10月、南阿蘇村立野の国道57号で反対車線にはみ出して対向車と衝突しました。そして、対向車を運転していた森光惠さん(72)を死亡させた罪に問われています。
9月3日の初公判で、増永被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。
「勘違い」で対向車線に進んだか
検察側は、増永被告が「片側2車線の道路と勘違いしていた」という供述内容を明らかにしました。
また法廷では、被告の車のドライブレコーダーの映像が流されました。

映像には、対向車3台とすれ違った後、前の車を追い越すために対向車線へと進む様子が映っていました。
検察は、「時速約60キロで漫然と対向車線を進行したことで、衝突事故を起こした」と指摘しています。
真実と処罰を
亡くなった森さんの長女・文香さんは、被害者参加制度で裁判に臨んでいます。

森光惠さんの長女 森文香さん(44)「真実を言っているとは思えないので、真実が明らかになってくれたらと願っています。法律の範囲で一番重い処罰を望んでいます」
次回の裁判は9月16日で、被告人質問などが行われる予定です。