亡くなった人や先祖の霊を迎える「お盆」ですが、法要を営む寺も、大雨の被害は免れませんでした。
熊本市中央区の順因寺では、近くを流れる坪井川から溢れたとみられる水が本堂に流れ込み、畳が浮き上がるほどでした。

順因寺 傳敏男住職「11日の午前0時を過ぎたら一気に寺の裏から水が来た。午前2時を過ぎると本堂の方に流れ込んで…」
畳の復旧は間に合わず、今日(15日)の法要は靴をはいたまま本堂に上がって行いました。

住職「本来ならみなさんを普通の状態でお迎えしたかったのですが、こういう具合になりました。申し訳ないですね」

法要をした遺族「電話を差し上げたときに水害の被害があったと聞いてびっくりしました」「感謝しなければと思って来ています」

記者「このあたりは過去にも水害が起きた経験から、約40年前に階段を上がる高い位置に本堂を建て直しました。それでも今回浸水したことを考えると事態の深刻さがうかがえます」
さらに被害は敷地内の墓にも及びました。約70基すべてが水没し、納められている遺骨も水に浸かりました。
住職「ほとんどの骨つぼがひっくり返っていました。ふたが外れていたり、ひっくり返ってご遺骨が出ていたり、そういうのを見るのは忍びないですね」

中には骨つぼから流れ出た骨もあり、それらは遺族の手で集められ、水で汚れを落とし、元に戻しました。
住職「一生懸命、手のひらで泥を優しく払いのけておられる。そこには何かしらの思いがあるのでしょう」