小中学校の校歌を、今でも覚えていますか?うろ覚えでも、口ずさむと当時の思い出も蘇ってきますよね。そんな校歌を守り継ぐ「ピアノコンサート」が開かれました。

目を閉じて音色に浸る人、思わず口ずさむ人…会場に響くどこか懐かしい調べは、廃校になった小学校や中学校の校歌です。

6月29日、熊本県芦北町で開かれたミニコンサート。企画したのは、町に住む鈴木五郎さん(57)です。結婚を機に、10年前に芦北町へ移住しました。

きっかけは5年前の豪雨災害です。鈴木さんは、被災した鉄道の沿線で土砂を除くボランティアを続けていました。道すがら、いつも目にする「海路小学校」の校舎が気がかりだったと言います。

海路小学校の校舎(2025年撮影)

当時、海路小学校は休校中でしたが、豪雨災害を経て2022年に閉校してしまいました。

鈴木五郎さん「泥水が校舎内に入った痛々しい姿を見て、何かできないかなと思って。せめてできることは、校歌の楽譜を見つけて、もう一度演奏することだと思った」