昭和60年(1985)6月、熊本郵便貯金会館に設置された「着物の自動試着機」の映像です。

現在では、拡張現実やAIを使った「バーチャル試着システム」が普及していますが、40年前のアナログ技術を用いた試着機とはどんなものだったのでしょうか。当時のニュースはこう伝えています。

「ジューン・ブライド。六月の花嫁は幸せになると言われています。昨日の大安の日曜日も美しい花嫁さんが沢山誕生したようです。しかし、その花嫁さんを飾る衣装選びは、なかなか手間と時間がかかるものです。そこで、それを少しでも解消しようという機械が熊本市にお目見えしました。紹介しましょう。


これがその自動試着機です。自分の洋服を着たままで、次々に衣装の試着姿が見られるわけです。この自動試着機を九州で初めて用いているのは、年間約720組の結婚披露宴を行う熊本郵便貯金会館です。


最近は披露宴も年々派手になり、お色直しの回数も一人で3、4回は普通ですから、衣装選びの為に衣装室で「あれがいい、いや、こちらのほうが……」などと一枚一枚袖を通していたのでは、衣装も痛むし、また、時間もかかり大変です。
しかし、この自動試着機を使うと、3分間に80着の試着が楽しめ、実際に身にまとったのと同じような感じで選べると、利用した人にも大変好評だそうです。


ここ、郵便貯金会館では、婚礼衣装に限られていますが、スライドを変えると、タウンウェアやスポーツウェアなどの試着も出来、おしゃれの冒険が気軽に楽しめそうです」