3年前、熊本市の男子中学生が自殺した問題で、調査の結果、担任教諭のクラスでの体罰や学校の対応の不十分さが明らかになりました。

ノートに書かれた「死」の文字。
2019年4月、この文字を書いた熊本市の当時中学1年生の男子生徒が自殺しました。


両親は、小学校時代からの学校でのストレスなどが自殺に関係しているのではないかと熊本市に調査を求めていました。

自殺した男子生徒の母親
「(小学6年の時に)『学校の先生がうざい』とか『とにかく学校がストレスなんだ』ということをいうようになりました」


そして熊本市がおととし立ち上げた第三者による調査委員会はおよそ70人への聞き取りを行い、きょう10月24日までに報告書をまとめました。


その結果・・・

第三者委員会の会見
「6年生の時のクラスの環境、特に担任の不適切な言動が関与していた可能性が十分考えられる」


小学校時代の担任の教諭が、クラスで他の児童に対し「バカ」「役に立たない」といった暴言や体罰をしていたことなどが男子生徒の抑うつ状態の重症化につながった可能性が高いと結論付けました。


この結果に遺族は。

亡くなった生徒の母親
「息子はずっと担任の先生がおかしい。学校がストレスなんだと言い続けていたので今回の報告書によって息子が言っていたことが認められて良かった」


また、調査委員会は男子生徒がノートに「死」という文字を書き連ねていたことを学校側が把握しながら保護者に連絡していなかったことも指摘しています。


調査委員会
「家庭の様子、あるいは学校の様子を情報共有するなどのより慎重な対応をとっていれば、結果として自殺を防げたのではないか」



調査委員会は報告書で小学校教諭の不適切な指導が男子生徒の抑うつ状態などにつながった可能性が高いとし、学校や市教委のケアなども不十分だったと指摘しています。

この指摘に熊本市の大西市長は。

熊本市 大西一史 市長
「子どもの命に向き合っていく。命をお預かりしているという強い自覚がもっと必要なんだろうと」


遺族はこの調査結果が再発防止に繋がることを望んでいます。


亡くなった生徒の母親
「この報告書は私達遺族にとっては慰霊碑のようなものだと。このようなことが二度と起こらないよう皆さんの記憶の中に留めていただくことが大切だと思っています」