3月25日に乗員乗客15人が重軽傷を負った熊本市電(路面電車)の追突事故を巡り、国土交通省の中野洋昌(なかの ひろまさ)大臣は、4月4日の閣議後の記者会見で「国の運輸安全委員会の調査結果も踏まえ、必要な対応を取りたい」と述べました。
熊本市電全車両に「速度計」設置を検討
熊本市電の事故では、追突した電車が「100メートル以内に前の電車がいる場合には時速15キロ以内に減速する」としている国の規則に違反した可能性があります。

法律などでは路面電車に速度計の設置を義務付けていません。しかし、今回の事故で追突した電車には速度計が付いていなかったことから、熊本市の大西一史(おおにし かずふみ)市長は3日、すべての電車へ速度計の設置を検討すると表明しています。
大臣 「国家資格で技能を定期的に確認している」
一方、中野大臣は4日の閣議後の記者会見で、「路面電車を運転する国家資格では、どの程度の速度で走っているかを速度計を見ずに認識する技能や、前との距離を認識する技能が備わっていることを定期的に確認している」として、現状の制度を追認する見解を示しました。
そのうえで「今回の事故を受けて行われている国の運輸安全委員会の調査結果も踏まえて、輸送の安全確保に必要な対応をとっていく」と述べました。