昭和61年(1986)3月31日をもって廃線となった国鉄高森線(たかもりせん)のさよなら列車「高森線サヨナラ号」の映像です。

国鉄高森線は 昭和56年(1981)廃線対象路線(特定地方交通線)に指定され、昭和61年(1986)3月31日の廃線が決定しました。廃線を前に「さよなら列車」を運行すると、全国から多くの鉄道ファンが駆け付けました。当時ニュースはこう伝えています。

「国鉄高森線にきょう ‶高森線サヨナラ号″ が走り、およそ400人が春の南阿蘇路を楽しみました。高森線サヨナラ号は熊本駅を午前8時59分に発車し、10時には高森線の立野(たての)を通過して一路終着の高森駅へ向かいました。

6両編成の列車には、春休み中とあって家族連れや国鉄マニアなどおよそ400人が乗車、窓越しに沿線の風景を楽しんでいました。

車中では乗客一人一人に「記念乗車証明書」が配られました。

午前10時47分、さようなら高森線と書かれたヘッドマークを付けた列車が高森駅に着くと、アマチュアカメラマンが一斉にシャッターを切っていました。

高森線は3月31日まで国鉄によって運営され、4月1日からは南阿蘇鉄道の列車(レールバス)が走ることになっています。」

高森線は国鉄の廃線にあわせて第三セクターの南阿蘇鉄道が開業。高森線を継承し現在も列車を走らせています。