熊本県ヤングケアラー相談支援センター 佐々木智里さん「子どもたちからすると普通のこと、ずっとやってきていることなので、それがヤングケアラーと言われると疑問を感じる子もいる」

子どもにとっては当たり前の環境。そのため周囲との違いに気づかないケースも少なくありません。

運動会で見た孤立する母

塚本さんには、忘れられない記憶があります。小学校の運動会で昼休みに撮影された写真です。

塚本さん「母親は周りの人とコミュニケーションがとれなかったので、一人で体育館に来て、一人だけ体育館の真ん中に座って2人分の小さいお弁当を広げて私のことを待っていた」

周囲の目が届かない場所で2人だけで過ごしました。

社会へ馴染めず孤立する母。そんな母を世話する生活は、親戚と暮らし始める16歳まで続き、塚本さんはいつしか、周りからの見られ方を異常に気にする大人になっていました。

夫・修平さん「髪型とか洋服とか持っていくものとか本人的にはどういう風に作っていけばいいのか、回り道して決める」

それでも、塚本さんはいま、仕事を通じて社会と関わりを持とうとしています。