家事や家族の世話を大人に代わって日常的にするヤングケアラー。厚生労働省の調査では、中学生の17人に1人、全日制の高校生の24人に1人が「世話をしている家族がいる」と回答しています。
ヤングケアラーだった過去と向き合う女性が大人になった今、思うこととは。

塚本陽子さん「父はテーブルをひっくり返して暴れたりとか、私も部屋の中を隅から隅まで投げ飛ばされたりとか」
幼少期の体験を語るのは、新潟県出身の塚本陽子(つかもと ようこ)さん、37歳です。
「母と2人で買い物に行ってても気に入らない人がいると大きい声を出したり舌打ちをしたり」

父はアルコール依存症、母には自閉症を伴う知的障害があり、小さい頃からヤングケアラーとして過ごしました。
「写真はまだ赤ちゃんですけど、ここから3年くらいしたらヤングケアラーが始まりますからね」
3歳の頃に両親が離婚、その頃から、自分が母を支える存在だと意識するようになりました。しかし…。
「学校の授業に集中できないくらい疲れていたんですよね。毎晩、夜になると母親が『かんしゃく』を起こして、それがおさまったと思って布団に入る」
幼少期からはじまる家族の世話。この点がヤングケアラーの根本的な問題だといわれています。