一方、もうひとつの業者は、山間の集落にありました。

記者
「資材がたくさん置いてありますから、確かに建築関係の仕事はしていたようなんですが、長く放置されているようですね」


被害を訴えるのは、球磨村の70代の夫婦です。


球磨村の70代夫婦(妻)
「便所のサッシのこんな小さいの、1日がかりで人を雇って運んでいました。そういうやり方」

球磨村の70代夫婦(夫)
「全然仕事が進まなかったんですよ。1人来ては誰も来なくなる。何も進まなかったので、これはいつになるか分からないということでやめたんです」


この夫婦は全壊となった自宅のリフォームを依頼し、495万円を支払いました。しかし基礎工事と間取りが済んだ後から 少なくとも4か月の間工事が進まなかったといいます。そのため、別の業者を探しおよそ600万円を新たに払ってようやく自宅を再建しました。


「本当に信用していた。うん。何も疑うことなく、ね?」

「完全に信用して(依頼した)」

この問題について、業者の社長という男性が私たちの取材に答えました。


坂本町の業者
​「(工事は)壁紙を張る前の段階まで終わりました。断熱材やらぼっこり入れてあるから、真冬になってもあそこは寒くないはずですよ」

Q 数か月間、作業が滞ったという事実はありませんか?
坂本町の業者
「滞るわけないじゃないですか。大工さんに怒られるよ!ほんとに」

この業者は、豪雨災害以降、被災地の人吉市と球磨村で合わせて6件の契約を結び、そのうち4件が施主からの申し出で契約解除になったといいます。

そして、残り2件ついては「資金繰りの悪化で工事を進められないため、会社の体力が回復するまで待ってほしい」とし、工事が止まっていることを認めた上で「工事を完了させる意志はある」と主張しますが…

Q 工事費用を依頼主からもらって、それで作業を進めることはできないのか?
坂本町の業者
「費用の追加は僕はしたくないから。だって被災しているんだから追加金を払えとか死んでも言えないでしょうが」

Q その辺りの話は依頼主としたのか?
坂本町の業者
「話をしたから、資金繰りが回復するまで待ってくれと(依頼主に)言ってきたわけですよ」

Q じゃあ、待つよと納得しているのか?
坂本町の業者
「う~ん、、、微妙ですね」

7月豪雨から2年、トラブルを訴える被災者たちは集団訴訟に向けた動きを進めています。