◆タンク底のスラッジ
タンクの底には、スラッジと呼ばれる油の滓かすが残っている。ほどなくして、部品の交換作業は終わった。

RKB久間直樹「タンク内は新鮮な空気も入れてあって、安全な状態にして作業は行われているんですけれども、かなり厳しい環境で・・・当時はゴーグルとかもなかったでしょうから。こうやって触っていても目にどんどん涙が出てくる感じですね」

◆“社員をクビにしない”
敗戦直後、出光興産の創業者・出光佐三氏は、全国各地の油槽所のタンクからスラッジ(油のかす)を集める仕事を請け負った。

あまりに過酷な重労働のため、同業他社がやろうとしなかった仕事である。それは当時いた約1000人の社員をクビにしないための決断だった。








