「夢のマイホーム」分譲マンションの価格の上昇が続いています。リーマン・ショックや東日本大震災の影響で不動産市場が停滞していた2012年と比べると、新築物件の価格は平均で約1800万円も上がっているんです。福岡市で高まるマンション需要の背景や、販売される物件に見られる変化などを取材しました。

◆建設ラッシュで「全室1億円以上」のマンションも

RKB原口佳歩「地下鉄七隈線別府駅のすぐとなりにマンションが建設中です。通りの向こうを見るとあちらにもマンションです」

延伸区間が3月27日に開業した地下鉄七隈線。博多駅までが直通となり通勤・通学などが便利になることから沿線エリアでは今、マンションの需要が高まっています。別府駅近くに建設中のマンションはこのエリアでは珍しい1億円以上の部屋を用意しましたがすでに完売しています。

RKB原口佳歩「福岡市で人気の住宅エリアである中央区大濠です。今月末に完成予定のマンションは全室1億円以上となっています」

福岡で初となる「全室1億円以上」のマンションです。地上10階建てで大濠公園まで徒歩2分、地下鉄空港線の唐人町駅まで徒歩6分の場所にあります。モデルルームを見ると広々としたリビングにおしゃれなオープンキッチンとどれも高級感が溢れています。気になる販売状況を聞きました。

大和ハウス工業マンション事業部・中村健作さん「総戸数35世帯のうち今月2日時点でご案内できるのが2部屋です。福岡県内の経営者層、開業医の方などを想定しております。実際にそのような方が非常に多く購入していただいております」

全室1億円以上にもかかわらずなぜこんなに売れているのでしょうか?

◆10年で福岡のマンション価格が“2倍”に高騰

大和ハウス工業・中村さん「福岡市は人口も増え、天神ビッグバン(※)の開発も続き、10年ほどでマンションの販売価格は2倍ほど上がっています。それでも販売は好調に推移していて福岡だけでなく九州や福岡にゆかりのある首都圏在住の方などの問い合わせをいただいております」(※容積率を上乗せする福岡市の再開発誘導)

地価の上昇に加え、ウクライナ情勢などによる建設資材の高騰もあって住宅価格は戸建てもマンションも上がり続けています。九州産業研究所によりますと福岡市のマンションの平均価格はここ10年で約1800万円も高くなっています。

市民「階を低めに。あんまり高いと予算が…」「広くなくていいです。自分が育った場所なのでそこをこだわって考えています」

福岡県内の不動産事情について専門業者に話を聞きました。

三好不動産住宅流通事業部・松田直樹さん「駅に近い4LDKですとどうしても5000万円になってしまいますので、10分くらい離れてもいいということであれば3000万円から4000万円ぐらいの価格帯で募集しているのも多数あります」