問題文が流出したり受験生が刃物で刺されたりする事件が起きたことから、試験会場では例年以上に慎重に準備が進められた2023年の共通テスト。14日からいよいよ“本番”だ。今年の共通テストは、新型コロナに関する“救済措置”が減ったのが大きな特徴。受験生は「何がなんでも感染できない」と家族との向き合い方も含めて緊張を強いられている。例年であれば直前まで「追い込み」授業が続く学習塾も、今年は授業の最終日を早める念の入れようだ。
◆なくなった“救済措置”命綱が減った?

大学入試センターが示す「受験上の注意」に今年、新たな項目が追加された。試験中に、受験生のマスクなどを外させる指示をすることがあるとしたほか、不正が疑われる行為は注意したうえで、実際に不正が確認されれば全教科の成績を無効にしたり、警察に被害届を出したりする場合もあると予告している。

いわゆる「なりすまし」や、問題の流出などを防ぐ対策を講じた形だ。たとえば九州大学は、試験が始まる前に毎回、スマートフォンの電源をオフにするよう指示することにしている。もう一つ変更になったのが、新型コロナをめぐる対応だ。2022年は共通テストの本試験・追試験ともに受けられなかった人を対象に、各大学がいわゆる二次試験だけで合否判定ができるよう要請されていた。しかし、2023年はそうした救済措置はない。

理由として文科省は、実際に対象になった人が少なかったことや、感染した人の療養期間が短縮されたことから、両方が受けられないケースは考えにくいと話している。“命綱”が減ったことになり、受験生は試験前に「絶対に感染してはならない」と緊張感を増しているようだ。
◆“事件警戒”も強化

大学入学共通テストを実施する会場の一つ、九大の伊都キャンパスでは13日、教職員200人がかりで会場の設営が行われた。新型コロナの感染対策では2022年と同様、入り口での消毒や換気などの対策を実施。また、スマートフォンを悪用したカンニングが発覚したほか、受験生を狙った刺傷事件も起きたため、会場の警戒を強める。
九州大学「2023年は人を増やして巡回を強化。試験中の巡視方法も見直しています」
一方、3年生の約7割が試験に臨む北九州市の高校を訪ねると、生徒を集めて注意点などを確認する最中だった。
小倉高校・中島一生副校長「ポジティブな気持ちやイメージを持ってテストに臨んでもらいたい」
教諭と生徒たち「頑張るぞ!えいえいおー!」

受験生・岡部泰大さん「これまでお世話になった人のためと自分の夢のために頑張りたいです」
受験生・村上香衣子さん「とにかくポジティブに。帰って寝て、いつも通りに過ごして頑張りたいです」







