先行きに不透明感も・・・

しかし、これまで順調に伸びていた国内でのEVの販売台数は、昨年度3万3967台と前の年度から15.8%減少。
先行きに不透明感も出ています。

日本触媒 野田和宏 社長
「EVの流れが元々想定していたよりも少し遅れ気味ではありますが2030年、2035年にかけては伸びていくことは間違いない。成長のカーブが緩やかかもしれませんが到達点は一緒」
こうした中、今年5月には・・・。

福岡県 服部誠太郎 知事
「北九州市で予定しておりましたLFPバッテリーの新工場建設について計画を断念せざるを得ないとのご報告でございました」
北九州市で予定していた日産自動車のEV向けバッテリー工場の建設が白紙に。
大きな衝撃を受けたのは地元の関連企業です。

バッテリーの作動を検査する装置の製造・販売を手がけるこの会社では、受注の拡大を見込んでいました。

ソフトエナジーコントロールズ 江口勇治 社長
「日産からも調達の方が来てお話があったりしていたところではあった。採用してもらうことを目指して進めている最中であったので、残念ではありました。一時的な鈍化と思っていますので、必ずEV化は進んでいくと思っていますので、それに向けて技術力を高めていきたい」

さらにトヨタ自動車が苅田町で予定していたEV関連の工場建設に向けた立地協定も延期となりました。
世界的なEV需要の減少が背景にあるとみられます。
このところ、勢いに陰りが見えるEVの動向に専門家は・・・。

九州経済調査協会 片山礼二郎 情報研究部長
「電気自動車の販売台数が世界的に大きく減少しているかというと、決してそうではない。どちらかというと一服しているような状態」
一方、EVが普及すると大量に必要となる電力の需要を満たせるかどうかが課題になると話します。

九州経済調査協会 片山礼二郎 情報研究部長
「脱炭素という流れの中でどんどんいろんなものが電気に置き換わっている。どう電力を確保するかというのは課題になる」
「EVの市場では国内メーカーが決して強いというわけではありませんので、北九州とか福岡県の問題ではなく、国策として、電気自動車のメーカーを本格的に育成しようと考えているのかどうか、考えるべきなのかどうかというところだと思う」
脱炭素化の動きが進む中でやや失速気味のEV産業。再び力強く加速していくでしょうか。