今後の司法判断に大きな影響
ところが、今回の画期的違憲、憲法違反の判断は15人全員の意見だったので、私は「なるほど」と思ったわけです。最高裁が変わった、などと言うつもりはありませんが、今後の司法判断に大きな影響を与えたことは間違いありません。歴史的な判決、といえるかもしれません。
毎日新聞社はキャンペーン報道「旧優生保護法を問う」で、この問題を掘り下げ、2018年度の新聞協会賞を受賞しました。その内容は、毎日新聞出版から出した「強制不妊 旧優生保護法を問う」に詳しく、電子書籍でも読むことができます。
ただ、これを誇る以上に、1948年から96年までの長い間、旧優生保護法が存在し、日本のジャーナリズムや多くの人がこの問題に気づくことができなかったことは、反省しなければなりません。批判するだけでなく、私自身も厳しく問われていることを認識し、これからコメンテーターとしての出演や本業である出版に生かしていきたいと思います。