6歳の頃、田んぼに落ちてしまった時にも

6歳の頃、兄を乗せた母の自転車の後ろを追いかけていた涌本さんは、うっかり斜面から自転車ごと田んぼに落ちてしまった。しかし母はそのことに気づかず遠ざかって行った。幸い近くの大人たちが気付いて涌本さんを助けてくれたが、「母親はどうしたんや。こんな小さな子が落っこちたのに」と激怒。助けてもらいながら「このおじさんたちにお母さんが責められるようなことになったら申し訳ない」と思い急いで家に戻った。
涌本祐子さん「痛いとか怖いとか先生から叱られたとかだったら普通バーッと泣いたりするじゃないですか?でもそういう感情が出なかったんですよ。絶対泣いてたまるかという思いもあったし、強がっていたところもあります。」
自分を鼓舞した結果、職場でパニックに
泣けなかった幼い頃の’私’は、大人になってから思わぬ場面で顔を出してきた。誰でも仕事でミスもすれば失敗もする。しかしそんな時、涌本さんは必要以上に落ち込み自分を責めるようになる。
涌本祐子さん「40代になってからも、仕事でケアレスミスして上司から注意された時、昔の心境を思い出して『失敗してはいけないのに』と自分を強く責め、職場で号泣して涙が止まらなかった、なんてこともあるんです。」