救命いかだや無線の設置も義務化へ

水産庁から出された案内です。
「改良型救命いかだ等、非常用位置発信装置、無線設備の搭載が義務付けられる見込み」
フィッシングアドバイザー遊漁船 天津風 行武守勝船長「小さい船に乗られている船長さんが、実際にいかだを乗せるという時に私の船にどうやって乗せたらいいんだと困惑していました」

救命いかだや、無線の設置には、100万円を超える費用がかかりますが、国からの補助はなく、自己負担になる予定だと説明を受けたといいます。また、今回の法改正で保険料も大幅にアップしました。これまでは、万が一の事態に備え定員1人当たり3000万円以上の保険契約をする必要がありましたが、4月からは5000万円以上の保険に入る必要があります。
影響が特に大きいのが、遊漁船で釣り客を沖合のいかだへと運ぶ業者です。

玄海漁協・肥前統括支所宮﨑雅司運営委員長「今までは船の定員分の保険に加入すればいいということだったんですが、渡すだけの人数分を入らないといけないということなので、かなりの遊魚船業者にとっては負担になると思います。」


これまでは所有する3隻の船の定員をあわせた29人分の保険に加入していましたが、今後は、最盛期に同時に釣りをしている人数分の加入が必要になります。孝好丸ではこれまでの2倍の60人分の保険に加入する必要があります。
玄海漁協・肥前統括支所宮﨑雅司運営委員長「ほとんどの人は零細企業なんでですね。結構その日暮らしみたいな感じでやってるけど、負担が大きくなると死活問題という話まで出てました。かなりの補助金を出してもらえんとやっていけんよねっていうのがみんなの要望でした。でも、福岡県の職員とかは『私たちはこういう指示が出ているのでおこなっているだけです』と言って、それじゃもう全然話は進まないですよ」
「安全のための制度」水産庁は理解求める

安全運航のために行われた今回の法改正。水産庁は、法改正の意義をこう説明します。
水産庁・資源管理部管理調整課鉢嶺朗課長補佐「より安全に利用客に楽しんでもらう、そういう制度を改正したところなので、慣れるまでは大変かもしれないですが対応していただきたいということを今までの説明会等でお願いしてきたところです」

遊漁船の事故による死傷者数は近年増加傾向にあり、水産庁はその安全対策が急務だと説明しています。今後予定している救命いかだの設置義務についても様々な検討が行われているということです。
水産庁・資源管理部管理調整課鉢嶺朗課長補佐「国交省には小さいバッグ式、固定式じゃなくて、バッグ型にバッグで収納されているイカダとかも開発されているという話も聞いています。実際それがちゃんと乗せられるのかどうかは今、検討会等でも話されているところですので、そのあたりをみて支援等についても検討していきたい。」

新しい制度のもと、安全を最優先にした運航が求められています。