広島の中華そば店は「おでん」も常識
広島県のラーメン・中華そばで、全国の人がまず思い浮かべるのは、広島県東部が発祥の「尾道ラーメン」かもしれません。醤油ベースのスープに背脂がのっている、あのラーメンです。しかし、広島市を中心とした広島県西部で一般的なのは豚骨醤油味の「広島中華そば」。こちらもお好み焼きと同様、屋台を発祥にした店が独自の進化を遂げて今に至ります。
「うわあ、懐かしいね」
「越田」と同じ日に有吉さん一行が訪れたのは、広島駅から徒歩圏内のビルに入る「中華そば こうちゃん」。屋台料理を中心に愛される、創業から40年以上の老舗です。

かつて広島のバラエティ『KEN-JIN』(RCC中国放送)にたびたび登場し、出演者とスタッフが打ち上げで通っていた名店。この番組が唯一のレギュラーだった、当時20代の有吉さんにとっても、青春の思い出が詰まった大切な場所です。
店内は鋭角のカウンターのみ。その角にある大鍋には、アツアツのおでんがぎっしり詰まっています。すじや大根、こんにゃくなどの種にはすべて串が刺さっていて、セルフで鍋から取り出すシステム。あとは串の本数でお会計の額が決まります。広島の中華そば店に入れば、まずは「おでんとビール」。有吉さんも、約15年ぶりだという懐かしの味をさっそく堪能します。
「ロケのあとは、必ずここ。新幹線を1本遅らせてでも、ここに行きたいって言ってね。広島のスタッフの人たちは、さっさと中華そばを食べて帰りたいんだけど、俺は粘りたいからさ」
故郷・広島でコツコツと続けていたテレビの仕事。若い有吉さんにとっては、この打ち上げこそが、おいしい食事とお酒を楽しめる貴重な時間でもありました。こうちゃんで当時から店頭に立ち続けるママ・高智真由美 さんは、有吉さんの当時の様子をこう振り返ります。
「カウンターで大人しく食べててね。おでんや中華そば以外で好きじゃったのは、ホルモン炒めよ。有吉くんは、あれをいつも頼みよったね」