小学生で「自分は死ぬのかも」と思っていたのに…
佐久間さんは、自分の被爆体験を知るよりも前に、肝臓と腎臓の病気を患らい、死の恐怖を感じたこともありました。それでも、その病気を被爆と関連づけることはなかったといいます。

ABCCの調査書にも、病気のことは触れられていませんでした。病弱だった父や母についてもそうだった、と言います。
広島県被団協 佐久間邦彦理事長
「ほとんど悪いっていうことは書いてないんですよ。原爆の影響ってわからないわけだから」
佐久間さんは、定年退職後に知人に誘われて、県被団協で相談員を始めました。年長の被爆者たちの生々しい話を数多く聞き取り、核兵器廃絶への思いを強くしていきました。

生後9ヶ月で被爆した金本弘さん
「どうしても、私達生きている間に核兵器を廃絶していただきたい。これが最大の願いです」
今、核兵器廃絶のための活動の、最前線に立つ被爆者の多くは、当時の記憶がないほど幼かった人たちです。