被爆から何年もたった後でも…

アイ子さんと徹さんは、その後、回復しまし、元気に過ごしていました。放射線による急性障害は、1945年の暮れにはおさまったと考えられていました。しかし、被爆から4年後のことです。
徹さんは遠足から帰ってきたあと、突然、体調を崩しました。歩くこともできませんでした。そのまま入院先の病院で死亡しました。まだ11歳でした。
姉のアイ子さんは、その後結婚し、子どもも授かることができました。しかし、被爆から20年たった29歳のとき、がんで亡くなりました。
2人の母 池本タメ子さん
「ええ子じゃった。わたしらが買い物に行って戻ったら、みそ汁こしらえてから待っとった。ええ子じゃったよね」
アイ子さん・徹さんきょうだいのように、被爆から何年も後になって亡くなる人は後を経ちませんでした。
原爆の放射線は、何年たっても被爆者の体をむしばみ続けているのです。