小林康秀 キャスター
「製鉄所閉鎖に伴う退職者の支援を行っているという呉商工会議所です。今回の閉鎖で地元経済界としてはどんな対応をしているんでしょうか」

岡峰さん夫婦の相談を受けた呉商工会議所の 若本祐昭 会頭に聞きました。
呉商工会議所 若本祐昭 会頭
「最初にご夫婦で来られて、日本製鉄を離職するので新しい仕事を始めたいということでお話がありまして、こういうふうな方法はいかがですかとか、どれぐらいのお金が要りますかというアドバイスから始まって、それに必要な申請の作業まで岡峰さんの場合はさせていただいた」

若本会頭によりますと、岡峰さんのように製鉄所閉鎖で商工会議所の支援を受けて創業したケースは5件。中には「アサリの養殖」に挑戦した人もいるそうです。
再就職についても、労働局などと10回を超える合同企業面接会を開催してきました。

若本祐昭 会頭
「ことし7月末現在、615人の方の再就職先が決まっていると聞いています」
製鉄所閉鎖が発表された2020年、構内の従業員は3300人でしたが、この3年間で退職や転勤が進みました。

県によりますと、退職者は合わせて1100人。このうち9割は地元の支援などを受けて転職が決まったといいます。
小林康秀 キャスター
「製鉄所の中には多くの重機が入っていて、解体工事が行われています。炉の近くの赤茶けた施設も中のパイプがむき出しになっています。この敷地の広さはマツダスタジアムの36個分ですが、この敷地がどのように活用されるのか、今後の “呉の分岐点” になるといっても過言ではありません」

残されたもう1つの課題が「跡地利用」です。日本製鉄は、活用策については明言を避けています。
日本製鉄 瀬戸内製鉄所 今居武士 所長(9月4日)
「具体的なことは、さまざまな検討を行っていますけども、この段階でお話するところまではいっていません」

130ヘクタールの広大な敷地面積。電気や水などのインフラが整備され、船舶が接岸できるふ頭も備わっています。地元では、さまざまな活用案が飛び交っているといいます。
呉商工会議所 若本祐昭 会頭
「病院船を誘致するとか、例えば発電所を作るとか、せっかく自衛隊がおられるので自衛隊の拡張とかというふうなことの話は聞いておりますけれども、具体的には何も進んでないと聞いております」

日本製鉄は、解体工事の完了には今後、10年程度かかるという見解を示しています。

若本祐昭 会頭
「あれだけの広い場所なので工業団地とかではなくて、日本のここ(呉)でそれは開発されているんだよっていうふうなもの(最新の研究施設)がいいんじゃないかなと思います」
取材したこの日、「お好み焼き おかみね」に若本会頭の姿がありました。
小林康秀 キャスター
「会頭、いかがですか? がんばっていらっしゃるのを見て」
若本祐昭 会頭
「ありがたいことだと思います。もっともっとがんばっていただいて、どんな支援でもしますので」
